中国が防空識別圏を設定検討

タツロー

2013年11月12日 19:27

共同通信が11月10日、中国空軍が「防空識別圏」の設定を検討していると報じました。

戦闘機はスピードが速いため、他国機(或いは国籍不明機)が我が国の領空に接近した時点で何らかの対処が必要となる場合があります。

ちなみに、他国機が我が国の領空を侵犯してから領土上空に到達するまで、旅客機で1分強、超音速軍用機であれば数十秒あれば可能だそうです。

国民の生命財産を守るため領空の外側に我が国は「防空識別圏」を設定しています。

「防空識別圏」内に入る航空機には、事前に通過位置や通過予定時刻の報告を求め、国籍確認などを行うとされています。

そのことに関して、沖縄の新聞では「東シナ海付近では日本の防空識別圏は大部分が日中両国から等距離の境界線よりも中国側に入り込んだ形で設定されている」と日本側が自国のエゴを優先させているかのようにも読める記述がありますが、それは自国民を守るためであることをまず強調しておきたいと思います。

最近でも10月25日から3日連続で中国の爆撃機など4機が沖縄本島と宮古島間を抜けて東シナ海と太平洋を往復し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したばかりです。

「防空識別圏」をこれから中国が設定することと、我が国がすでに設定していることとはまったく意味が異なります。

我が国の航空自衛隊は、近隣諸国に対する挑発行為はとりません。しかし、中国は明らかに領空すれすれまで接近しては我が国の出方を頻繁に伺っています。

10日共同通信が報じたことについて、上海国際問題研究院の廉徳瑰氏は「日本が日中中間線を越えて防空識別圏を設定し、その範囲に尖閣諸島も含めていることは問題だ」「我が国が防空識別圏を設定するとすれば釣魚島のほか沖縄上空も識別圏内となるだろう」と述べています。

「沖縄上空を国内旅客機が飛ぶ場合でも中国側に事前報告せよ」と威嚇しているのです。

日本政府は断じて譲歩してはならないと思います。


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