前回は、農業や水産業を観光業に次ぐ基幹産業にしていく、ということを述べました。
沖縄の繁栄はまだまだこれからです。
復帰前の沖縄県はドル高差益貿易で利益を得ることができたため、製造業が育っていません。
本土の20%に対し、沖縄の製造業はわずかに8%。
私は安定所得・安定雇用を実現し、経済自立を果たすためにも、
日本の持つ最先端技術を導入しての製造業を基幹産業にしていくことが大切だと考えます。
そこで、国家プロジェクトとして航空宇宙産業を興し、
普天間基地の移設に伴う基地返還地にその一機能をつくります。
例えばアメリカのボーイング社で最新鋭中型機が製造されましたが、
その35%は日本企業の技術が生かされ、
その成果で20%もの燃費節減が可能となっています。
自前でも作れる技術を持っているなら、
沖縄で製造したって構わないのではないでしょうか。
スペースシャトルや惑星探査機、人工衛星の開発を推し進め、
その技術を民生転用していきたいと思います。
宇宙産業は最大の派生産業でもあります。
アメリカのアポロ計画によってエレクトロニクス技術が飛躍的に伸び、
GPS技術(カーナビですね)も電化製品へと応用されたのです。
基幹産業はさまざまな事業を生み出し、雇用を生み出します。
行き当たりばったりの事業仕分けなどで未来の基幹産業をつぶしては絶対にいけません。
最近の出来事でも、宇宙開発において、
日本は世界最高の技術を持っていることが証明されています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は
2003年に小惑星探査機「はやぶさ」を打ち上げ、
目標である火星の外側の軌道と地球の内側の軌道を周回する
小惑星「イトカワ」に、2005年着陸しました。
日本の探査機が世界で始めて月以外の惑星への着陸を果たしたのです。
そして、本年6月5日、
小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還が確実になったとJAXAは発表しました。
「はやぶさ」は惑星の砂ぼこりなどを回収カプセルに詰め込んで帰還するとみられています。
3日正午からイオンエンジンを噴射して
地球を通り過ぎる軌道から地球に落ちる軌道に変更する作業をしてきましたが、
5日午後に無事終了し、
大気圏突入前に放出するカプセルが
13日夜にオーストラリア大陸の南部に着陸する予定です。
とてもわくわくするではないですか!
宇宙開発に消極的になってきているアメリカに対し、
中国はすでに、アメリカの軍事衛星を破壊する能力を持つ
ミサイルとレーザー兵器を持っていると言われています。
宇宙が軍事利用されようとしている今、
我が国は平和を愛する世界の大国としての自信を持ち
リーダーシップを発揮するときがきているのではないでしょうか。
金城タツロー