2012年07月26日

チベット大弾圧に沖縄の未来を見る②

チベット自治区ラサで起きた大弾圧からほぼ半月後の2008年3月27日、外国メディアの現地取材がようやく許可されました。そのニュース映像の一場面を見た、ダライ・ラマ法王日本代表部文化・広報担当官のルントック氏は次のように述べています。(「正論」より)

『外国メディアの一行がラサのジョカン寺(大昭寺)に立ち寄った時の場面です。エンジ色の僧服を着た30人ほどの若い僧侶が突然駆け寄ってきて「中国政府の言っていることは嘘だ」「チベットに自由を」と訴えました。ある僧は顔をこわばらせ、ある僧は声を震わせ、ある僧は目に涙をうかべていました。私は、このニュース映像を見て、胸が張り裂けそうになりました。若い僧侶たちの勇気と、今後に待ち受けている過酷な境遇を思うと、涙があふれて止まりませんでした。』

都合の悪い部分をすべて隠した上で、初めて外国メディアを受け入れたはずの中国当局は、真実を明らかにした僧侶たちの決死の覚悟によって、偽りに満ちた演出の仮面をはがされてしまいました。

中国政府は弾圧で流された路上の血を洗い流し、犠牲者の遺体を隠し、平穏を装った街並みを公開することで、世界中の批判をかわそうとしたのでしょう。ルントック氏によれば、僧侶たちは、恥をかかされた当局によって凄惨な刑罰に処せられるだろうということです。それを知っているので、胸が張り裂けるほどの心の痛みを感じられたのです。

チベット自治区ではあの事件から4年がたち、今なお当局が厳しく取り締まり、取材も自由にさせず、焼身自殺で抗議する僧侶や住民が後を絶たない状況が続いています。



Posted by タツロー at 12:03│Comments(0)
 
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